先日カリフォルニアに仕事で行く機会があったので、その足でルイス・カーン氏が設計したソーク研究所(Salk Institute for Biological Studies)に立ち寄ってきました。建物はサンディエゴ近郊の街、ラ・ホヤ(La Jolla)にあります。
実は以前、コネチカット州のイエール大学にある同氏設計の建物を見学したことがあります。そこでカーン氏の建築に興味が増し、いつかソーク研究所にも行ってみたいなと思っていました。
今回は車使って移動しました。LAでレンタカーを借りて運転すること約2時間、ラ・ホヤに到着しました。建物はカリフォルニア大学サンディエゴ校のキャンパス内にあります。
車を建物横に路上駐車してから入り口ゲートへと向かいました。セキュリティーの方に観光したいと告げると、胸に貼るビジター用のシールをもらいました。料金は無料です。研究所の中には入れませんが、外は自由に歩いて見学できます。
同研究所は1960年にジョナス・ソーク(Jonas Salk)氏によって設立された非営利の組織で、800人を超える研究者が約60のグループに分かれて研究を行っています。生命科学の分野では常に全米トップ評価を受けており、今までに11人のノーベル賞受賞者を輩出しています。現在は同賞受賞者のうち3人が所属しているそうです。
ゲートから敷地内に入ってすぐのところにソーク氏の言葉が刻まれたプレートを見つけました。
Hope lies in dreams, in imagination and in the courage of those who dare to make dreams into reality.
意訳すると希望は、夢を現実にしたいと強く願人達の理想、創造力、そして勇気の中にあるといったところでしょうか。研究所を設立したソーク氏の理念なんだと思います。
ソーク氏は世界から一流の研究者を集めるために美しい施設の建設が必要だと考えていたそうです。そのため、設計を世界的な建築家として活躍していたルイス・カーン氏に依頼したそうです。
建物は2棟あり、左右対象に向かい合う形で並んでいます。真ん中には広い空間があり、一直線に水が流れる水路があります。僕が行った時は平日で人が少なかったこともあり、静かで神聖な雰囲気が漂っていました。
地下1階、地上2階の建物の外壁はコンクリートで、規則正しくチークの木材も使われています。無機質なコンクリートの質感と、木材の柔らかさが見事に融合しており、流行にとらわれない、タイムレスな雰囲気を醸し出しています。
コンクリートと木の使い方は、同氏が設計したコネチカット州のイェール英国芸術センター(Yale Center for British Art)と非常に似ているなと感じました。
もちろん超一流の建築物とはいっても、老朽化などの問題は常にあるとは思います。しかし、ソーク氏の理念を具象化した研究所の中で、研究者のみなさんは誇りを持ち、のびのびと研究に没頭されてるんだろと思います。
ルイス・カーン関連書籍
ソーク研究所紹介動画
下の動画は同研究所の紹介動画です。さらに詳しい情報に興味がある方はぜひご覧ください!
地図
情報源: Salk Institute for Biological Studies – Wikipedia