ニューヨークは夏真っ盛り!ということで、週末はビーチに行ったり、サッカーしたりと、屋外でアクティブに活動していたのですが、そろそろ夏バテして参りました…。
そこで、今週末は屋外でなく、屋内で涼しく過ごしたいと思い、久しぶりにメットこと、メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)に行って来ました。我ながらナイスアイデア。
館内は観光シーズンということもあり、たくさんの人で溢れていました。でも、混んでるとはいえ、館内は広いので、のんびり過ごすことができました。思っていた通り、館内は、冷房がガンガン効いてて涼しい!これは来た甲斐がありました。ありがとうメット…。
今日の目的は、メットで涼むこと…だったのですが、もちろん美術鑑賞もして参りました。まずは古代エジプト美術が詰まったサックラー・ウイングへ。
いつもMETに来て、一番最初に見るのがこのデンドゥール神殿(The Temple of Dendur)です。紀元前15年に、ローマの皇帝によって建てられたこの神殿は、もともとはエジプトのアスワンという街の近くにあったらしいんですね。ところが、ナイル川にアスワン・ハイ・ダムが建設される影響で、元々あった場所から移動され、その後、エジプト政府からアメリカに寄贈されたんだそうです。アメリカはアスワン・ハイ・ダムの建設で水没の危機にあった様々な遺跡の保存に協力していたらしく、その功績に対するお礼なんだとか。
それにしても、遺跡をまるごと寄贈って、ダイナミックですよね…。今やこの美術館の目玉の展示物として、世界中から来た来場者を魅了しております。今日も多くの人が、遺跡の前で記念撮影してました。
デンドゥール神殿のあるサッグラー・ウイングは、メットの中で僕が一番好きなエリアです。いつも、文明の起源を考えるきっかけを与えてくれます。
古代エジプト美術をたっぷりと堪能した後は、時代を一気に進めてモダン・アートのエリアに突入いたしました。
モダン・アートといえばMOMAが有名ですが、メットにもかなりの数の作品が展示されてるんですよね。ピカソ、ジャクソン・ポロック、アンディー・ウォーホールなどなど、教科書で見たことあるような作品がいくつも鑑賞できます。
アメリカで人気のあるジョージア・オキーフの作品も数多く展示されていました。
エドワード・ホッパーの作品「Office in a Small City」も!
あと、今回はこの「Bird in Space」というオブジェが気になりました。
コンスタンティン・ブランクーシさんという彫刻家の作品なのですが、無駄を削ぎ落としたシンプルな曲線美に作者の本質を追究しようとするストイックさが滲み出てるなぁと…。
単純さは、芸術の目的ではない。しかし、事物のリアルな感覚に接近してゆくと、知らず知らずに単純さに到達するのである。単純さは、その底に複雑さを秘め、その意義を理解すためには、その本質によって人は成長しなくてはならない (美術家の言葉コンスタンチン・ブランクーシより引用)
いや〜、現代でいえば、Appleとかのデザイン哲学に通じるような言葉ではないですか…。イサム・ノグチ氏もパリで彼の助手をやってたみたいですね。確かに、このミニマルな感じには大きな共通点を感じます。
そして、続いて、ヨーロピアンアートの世界へ…。一番目をひいたのは、こちらおなじみゴッホさんの自画像でした。意外とサイズがコンパクト。
そして、この前、Grounds for Sculpture(グラウンズ・フォー・スカルプチャー)で見たクロード・モネの「サンタドレスの庭(Jardin à Sainte-Adresse)」を発見!メットにあったんですね!
他にもゴーギャンの作品や…
マティスの作品など、巨匠達の絵画が次々と出現。
わたくし、美術にはずーっと疎かったんですが、ピカソ、モネ、ゴーギャン、マティス、ルノアール、ゴッホあたりを抑えておけば、どこの美術館行っても楽しめますね。ははは…。
そして、最後に日本を含むアジアの美術品を集めたエリアへ足を運びました。
今回は、「鳥」が描かれている歴史的な美術品が数多く集められ、特別展示が行われていました。
時代劇で見たことのあるような印籠にも鳥の絵が…。
イサム・ノグチ氏の作品もさりげなく展示されてました。禅ですね…。
というわけで、久々に訪れたメットについて、つらつらと書いてしまいました。
屋内で涼しい週末を過ごす!というのが今回の大きな目的だったのですが、思いのほか、美術鑑賞を楽しむことができました。
今回はいつもにもまして新しい発見が多かった気がします。涼しい所でのんびり過ごしたい…というゆる〜い動機が、逆に気持ちをオープンにしてくれて、よかったのかもしれません。
しかしほんと、メットは大きいので、何度来ても飽きないのがいいですね。今後も特別展示などがどんどん企画されると思うので、ぜひまた機会を作って訪れたいなと思ってます。