今、ニューヨークのマジソン・スクエアー・パーク(Madison Square Park)周辺でビルの屋上を注意深く見ると、人の形をしたオブジェが立っているのを目にすることができます。これ、初めて見た時は、誰かが飛び降りようとしているように見えて、若干不気味な感じがしました。
Event Horizon, originally uploaded by shinya.
でも、落ち着いてよくみてみると、高い場所からニューヨークの街を見渡しているようにも見えたり…。街行く人達を見守っているようにも見えたり…。
Event Horizon, originally uploaded by shinya.
見る人の視点、捉え方によって、その意味は様々に変わっていくこのオブジェ。実はこれ、芸術家アントニー・ゴームリー(Antony Gormley)さんというイギリスの彫刻家による一大アートプロジェクトだったのです。5thアベニューと23thストリートの交差点付近で下のパンフレットが手に入ります。
Event Horizon, originally uploaded by shinya.
現在、マジソン・スクエアー・パーク周辺を中心に、ビルの屋上などに約30体の彫刻が設置されているとのこと。エンパイヤー・ステート・ビルディングにも設置されてるらしいです。
地上にも2体展示されているので、間近で見ることができます。男性の形をしてますが、ゴームリーさん自身の体が雛形となっているようです。
Event Horizon, originally uploaded by shinya.
胸と足、そして背中に丸い印のようなものがつけられています。
Event Horizon, originally uploaded by shinya.
目は開いているのか、閉じているのか…。ただ、表情は非常に穏やかに感じられました。
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彫刻を間近で見てから、ビルを見上げると、また違った感覚、印象を受けます。
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ビルの上にこの彫刻があることで、視線が上に行き、今まで気がつかなかった新しいニューヨークを感じられます。
Event Horizon, originally uploaded by shinya.
そして、いくつものビルの上にこの彫刻が立っていることで、今までバラバラだったそれぞれの建物が繋がれ、新しい関係性、意味のようなものもを作り出している気がしました。街行く人の間でも、この彫刻をきっかけに、新しい出会い、会話なんかも生まれてきますよね。
こういった街ぐるみでのアートプロジェクトが楽しめるのもニューヨークならでは。他の場所でも様々な試みが行われているはずなので、また少しリサーチしてみたいなと思います。
http://eventhorizonnewyork.org/