常に、様々な新しい試みで驚かせてくれるニューヨーク。最近では貨物列車の高架橋を利用して遊歩道を作り出したハイライン(The Highline)の成功が話題となりましたが、それに負けじと様々なプロジェクトが動き出しています。そんな中、最近、新聞などの紙面を騒がせているプロジェクトがあるので、少しだけ調べてみました。今回は3つご紹介します。
1.ザ・ローライン(The Lowline)
上の次は下!初めに聞いた時は冗談かと思いましたが、かなりの本気プロジェクトです。ハイラインに続いて、今度はローラインの建設計画が進みつつあります。ロウワー・イーストサイドのディランシー通り(Delancey Street)の地下には、かつてウィリアムズバーグ橋を走っていた路面電車のターミナルとして使われていた巨大なスペースがあります。ここに最新のテクノロジーを駆使して、自然光を入れて、草木が生い茂る地下公園を作ってしまおうという計画です。
アイデアの考案者達は、キックスターターで資金を集めるなどして、実現に向けて具体的に動き出してます。放置されていた地下空間を公園に作り変えるという夢のあるプロジェクト。個人的に非常に楽しみにしています。
2.プラスプール(+ Pool)
マンハッタン周辺には、みんなが泳げる大きなプールがない!だったら川の上に作ってしまおう!という想いから生まれたプロジェクト。その名の通り、プラスの形をしたプールを作って、イースト・リバーに浮かべてしまおうという計画です。
ただ浮いているだけではなく、イースト・リバーの水を取り込み、浄化してプールの水として利用します。プールの水は、最終的にクリーンな形で川に戻される仕組みになってます。泳げるし、川の水はキレイになるしと、一石二鳥のプロジェクト。
ブルックリン・ブリッジのたもとの場所が予定地として計画されているようで、非常に楽しみなのですが、人気が出過ぎて混雑するのが気がかりです。まあ、そのときは、プラスプースをいろんな所に作ればいいという話になるのでしょうか?
3.ザ・クイーンズウェイ(The QueensWay)
ハイラインと同様の遊歩道をクイーンズにも作ろうという動きが少しずつ大きくなってます。このプロジェクトはクイーンズのフォレスト・ヒルズやレゴ・パークのエリアから延びる3.5マイル(約5.6キロ)の高架橋をハイラインと同じように遊歩道に変えてしまおうというもの。
高架橋はかつてLIRRの鉄道が走っていたのですが、50年以上にも渡り放置されているそうです。周辺住民の理解が得られるか、治安の問題はないか等、まだまだ多くの課題が残されていますが、もし実現すれば、再開発が進むクイーンズの象徴的な存在になることは間違いないと思います。下の動画は現在の線路まわりの状況です。木が生い茂っていて、森のような状態です。整備されたら、かなりいい公園になりそうです。
All 3.5 Miles of the Abandoned LIRR Rockaway Branch from Jeff Seal on Vimeo.
以上、現在ニューヨークで注目されている3つのプロジェクトのご紹介でした。今あるものを再利用しながら、どうやったらよりよい環境が作り出せるのか?創造力を最大限に発揮して、これらのプロジェクトを進めているスタッフの皆さんには、本当に関心させられます。こういった挑戦というのが、ニューヨークで生きる人達を刺激して、地域にさらなる活気をもたらしていくんでしょうね。僕も陰ながら、これらのプロジェクトを進める方々を応援していければなと思っています。