2017年1月1日に長らく工事が続いていたセカンド・アベニュー・サブウェイの第一区間が開通しました。様々なメディアで大きな話題となっていたので、僕はてっきり全てが開通したのかと思って興奮していました。
しかし、そうではありませんでした…。
今回は全部で4区間あるうちの1区間だけのオープンでした。そして、全線開通の時期については、まだ目処が立っていないとのこと。一体どうなっているんだ!?ということで、amNEWYORKの記事を参考に、この地下鉄路線について調べてみました。
セカンド・アベニュー・サブウェイとは?
マンハッタンにはたくさんの地下鉄が走っていますが、東の端のエリア、1番街から3番街の間を縦に走る線がなく不便な状態が続いています。そこで2番街(セカンド・アベニュー)沿いに縦に走る地下鉄の建設が計画されることになりました。下の路線図の「T」のライン、水色の線がセカンド・アベニュー・サブウェイです。
アップタウンの125番通り(125 St)から。ダウンタウンのハノーバー・スクエアー(Hanover Sq)までの8.5マイルが結ばれます。全区間がオープンした暁には16の駅が誕生する予定です。しかし、全ての駅がいつオープンするのかについては未定で、工期や予算がどくらいかかるのか、目処が立っていないようです。
1920年代から計画されていた路線
セカンド・アベニュー・サブウェイは1920年代に最初の建設プランがニューヨーク州に提出されたそうです。なんと約100年前じゃないですか!
しかし、世界大恐慌や第二次世界大戦などの影響で実現せず、1972年に工事がスタートしたものの、市が財政難に陥ったことで1975年に作業が中断されてしまいました。その後、やっと工事が再開されたのは2007年のこと。それから約10年間工事が続けられ、ついに1つめの区画が開通しました。
2017年にオープンした第1区間
2017年1月1日にオープンした第1区間には、72番通り、86番通り、96番通りの3つの駅が含まれています。上の路線図、黄色いラインの右上の3つの駅です。72番通り駅から下は、今後、工事が進むことになっています。
第1区間の建設には約45億ドル(約4500億円)が投じられました。工事の期間中、MTA関係者は完成予定日を明言することを避けていましたが、シビレを切らしたクオモ州知事がMTAにプッシュを入れて2017年1月1日に晴れて開通となりました。
現在は部分開通のため地下鉄には黄色い「Q」の文字が表示されていますが、全区間が開通した際にはターコイス色の「T」のアルファベットが表示されることに決まっています。
新しい駅の設備
三つの駅はどれも似た構造をしています。プラットフォームが一番下にあって、一階上がると高い天井の通路になっています。老朽化が進んでいる他のMTAの地下鉄の駅には柱がとても多いですが、セカンド・アベニュー・サブウェイの駅は柱がなく、明るく開放的に作られています。東京の地下鉄に雰囲気が近いですね。
駅構内にエアコンが取り付けられる予定はないそうですが、駅構内は地上よりも約10度涼しく感じられるため夏は快適とのこと。Wi-Fiが利用できるようになり、エレベーターやエスカレーターも完備です。ニューヨークの地下鉄の駅は、エスカレーター無いところが多いので助かります。
駅構内のアート作品
先日、別の記事でも紹介しましたが、セカンド・アベニュー・サブウェイの駅構内には数多くのアート作品が組み込まれています。素晴らしい作品がたくさんあって、地下鉄の駅が美術館のような状態になってます。詳しくは以下の記事をご覧ください!
というわけで、今日はセカンド・アベニュー・サブウェイについて簡単に書いてみました。
膨れ上がる建設費や、なかなか進まない工事を皮肉って、ニューヨーカーの間で「一生完成しない地下鉄」なんて言われています。そして実際、まだ完成の目処が立っていません。
でも、第一区間がとりあえず開通したので、大きく前進したことは間違いありません。今後も様々な困難が待ち構えていると思いますが、残り区間の完成に向けて、関係者の皆さんにはがんばってもらいたいです! まあ、僕がニューヨークにいる間には完成することはないと思いますが…。道のりは長い!
情報源: The Second Avenue subway explained | am New York