体験レポート

MoMAを30分間で楽しむ方法(1)

無謀といえば、無謀なんですけどね。世界有数の現代アート美術館を30分で回るなんて…。

実は、今日金曜日はMoMAの入場料が無料の日だったので、仕事帰りに行ってきました。でも、仕事が忙しくてMoMAの中に入れたのは7時過ぎ。MoMAの金曜日の閉館時間は8時です。そんなわけで、素早く見て回らなくてはいけませんでした。さて、どうしたものか。

僕が大好きなガイドブックにTime Outの1000 things to do in New Yorkという本があるのですが、そこに30分でMoMAを回る方法というのが紹介されてます。

Time Out 1000 Things to Do in New York (Time Out Guides) Time Out 1000 Things to Do in New York (Time Out Guides)
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今回はこの本を片手に、僕が気になった作品なども加えつつ、僕がいかに短時間でMoMAを楽しんだか、ご紹介させていただければと思います。もしかしたら、ニューヨークに来たものの滞在期間が短い人、仕事帰りに素早くMoMAを楽しみたい人などにも参考にしていただけるかもしれません。

MoMA, originally uploaded by shinya.

さて、それではエントランスを通過してスタート!

まずは入口を入って正面に広がるSculpture Gardenへ。時間は無いけれど、Sculpture Gardenはどうしても行っておきたいMoMAの名物。ここは中庭のようになっていて彫刻に触ったり、座ったりできるようになっています。

Sculpture Garden, originally uploaded by shinya.

ここで是非とも見ておきたいのがバーネット・ニューマンの「ブロークン・オベリスク(Broken Obelisk)」。これは、古代エジプトのファラオが作った記念碑(オベリスク)を真ん中で折って逆さまにし、ピラミッドの頂点に立てた形になってます。上に上昇しようとするピラミッドに、権威的なオベリスクが逆さまに突き刺さり、拮抗している。なんともいえぬ緊張感と迫力がある作品です。

Broken Obelisk. Barnett Newman, originally uploaded by shinya.

さて、青空の下、イスにでも座ってゆっくりしたいところですが、今日の目的は素早くMoMAを楽しむこと!ノロノロしていられません。Sculpture Gardenをザーっと見回したら、建物の中に戻ってエスカレーターで一気に5階に上がります。

5階には1880年から1940年にかけての作品が展示されています。そうです、ゴッホやピカソ、マティスなんかの作品です。Gallery 1に入ってまず目に飛び込んでくるのがこのポール・セザンヌの「水浴(The Bather)」という作品。セザンヌは「近代絵画の父」と知られていて、ピカソなどに大きな影響を与えた人。まさにこのフロアーの作品を楽しむ一発目としてふさわしい作品ですね。

The Bather. Paul Cézanne, originally uploaded by shinya.

そして、Gallery1のすぐ隣、Gallery2をチラリと見るとピカソの「アヴィニョンの娘たち(Les Demoiselles d’Avignon)」が!これはピカソが1907年に描いた作品で、キュビズムの出発点ともいわれているとか。

続いて、これまた超有名作品、ゴッホの「The Starry Night」が!おお、どれもこれも教科書で見たことがある作品ばかり!

The Starry Night. Vincent van Gogh, originally uploaded by shinya.

続いてグスタフ・クリムトの「The Park」も見たいところ。公園を覆うように茂る木が、絶妙のタッチで描かれています。

The Park. Gustav Klimt, originally uploaded by shinya.

さて、これまた超有名作品、アンリ・マティスの「Dance」。色使いが奇麗ですよね。

Dance (I). Henri Matisse, originally uploaded by shinya.

さらにもう一つマティスの作品。「The Red Studio」でございます。こちらも赤を貴重にした小粋な色使い。

The Red Studio. Henri Matisse, originally uploaded by shinya.

有名作品に圧倒されている中、突如現れるのがこのマルセル・デュシャンの「自転車の車輪(Bicycle Wheel)」。イスの上に自転車の車輪が乗ってます。既製品に手を加えて作られた「レディ・メイド(ready made)」といわれるアート作品。でも、これだったら僕でも作れるじゃないか…。なんてことも思いつつも、アートって何だろうと考えるのもいいかもしれないですね。

Bicycle Wheel. Marcel Duchamp, originally uploaded by shinya.

別の部屋に行くとピエト・モンドリアンの作品がまとめて展示されています。ピエット・モンドリアンは線と、単純な色のみを使った独特の画風を確立した人で、デザインや建築に大きな影響を与えた人。これも美術の授業とかには必ず彼の作品って紹介されますよね。

Piet Mondrian, originally uploaded by shinya.

さらに、こちらは日本でもお馴染み、ダリの作品です。この作品はシュールレアリズムの傑作と言われてますよね。でもこの作品、サイズが思ったより小さくて意外でした。

とまあ、すごい量の絵を紹介してしまいましたが、うまいことやればここまでで15分くらいで回れます。ほんと一つ一つの絵をチラっと見るだけですけどね…。

今回、全部を紹介したいところでしたが、おさまりきらなかったので、全二回に分けようかと思います。次回は4階の絵を紹介できればと思っているので、お楽しみに!

EOS RPでフルサイズに挑戦中

Canon EOS RP

2023年7月に再生品(Refurbished版)を599ドルで購入。APS-C機(EOS Kiss)からフルサイズに乗り換えて写真撮影に挑戦中です。
Canon RF50mm F1.8 STM

2023年7月に購入してEOS RPに装着。2023年は標準レンズといわれる50mmにこだわって、NYの街を撮影してみます。

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  • Mッチー
    07/18/2009 at 7:52 PM

    マルセル・デュシャンは、僕の大好きなアーティストの一人。トイレの小便器の作品も有名よ。

    いわゆる、「わけのわからない」アートを始めた人だけれど、何か理由があって、そういうものを始めたはず。話すと長くなるので、自分で調べてね。(笑

    ただ、彼の後続がデュシャンの思想を無視して、形式だけ真似するようになってしまい、シンヤ君の言うとおり、「僕でも作れるじゃないか…」みたいなアートが増えてしまったのは事実。

    しかし、本物は残り、偽物は消えていく。そういうもんだと思ってます。

    • shinya
      09/16/2009 at 12:58 PM

      なるほど。Mッチーのコメントを見たあと、いろいろデュシャンについて勉強させてもらったよ。
      アート作品が作られた背景というのを探るのは面白い作業だね。