日々の記録

イェール大学内のルイス・カーン建築を巡りました

Yale Center for British Art

ニューヘブンには世界的に有名な建築物があったんですね…。

日本で建築家として活躍する友人S氏と共に、コネチカット州ニューヘブンに行ってきました。今まで、何度もニューヘブンには訪れたことがあったのですが、名物のビザを食べてイェール大学のキャンパスを散歩するくらいしかしていませんでした。

しかし、この街は知る人ぞ知る、貴重な建築物の宝庫だったのです。ぜーんぜん知りませんでした。特に建築界の巨匠ルイス・カーン氏が設計した2つの美術館が有名ということで、友人S氏に案内してもらいながら市内を散策してきました。

イェール大学アートギャラリー

まずはこちら、イェール大学キャンパス内のアートギャラリー(Yale University Art Gallery)です。1953年に完成したこの建物が、事実上、カーン氏のデビュー作なんだとか。カーン建築の原点ということで、建築家の間では良く知られている建物なんだそうです。非常にモダンな建物なのですが、隣に建つゴシック調の歴史的な建物と違和感なく調和してます。
Yale University Art Gallery

入場料は無料でした。中には様々なアート作品が展示されています。テトラヘドラルと呼ばれる三角形で組まれた天井が特徴的です。コンクリートの質感を随所で感じる、非常にモダンな雰囲気の建物です。

Yale University Art Gallery

階段は円筒状になっているのですが、天井を見上げるとこんな形になってます。外からの光が差し込んで非常に幻想的でした。未知との遭遇とでもいうのでしょうか、どういうわけか宇宙を感じました…。

Yale University Art Gallery

こちらは、天井を見上げてカーン氏の思想を感じとっているS氏です。時差ボケで意識が朦朧としていただけかもしれませんが…。

Yale University Art Gallery

上の階にはテラスがあって、外にも出れるようになっていました。

Yale University Art Gallery

イェール英国芸術センター

続いて訪れたのが、「イェール英国芸術センター(Yale Center for British Art)」です。イェール大学アートギャラリーの目の前にあります。イェール大学アートギャラリーがカーン氏のデビュー作なら、こちらは彼が晩年に設計した遺作となるそうです。

The Louis I. Kahn Building

この建物がオープンしたのは1977年。カーン氏は1974年に亡くなられているので、彼の死後に完成したことになります。建物の1階にはお店が入るためのスペースが確保されています。こういった商業施設用スペースを最初から組み込んでデザインされた美術館はここがアメリカで最初だったそうです。

こちらも入場料は無料でした。

Yale Center for British Art

S氏によると、カーン建築の特徴は、コンクリートや木の素材を活かすことだったり、自然光をうまく取り入れることなんだとか。確かに、天井に大きな窓が設置されていて、館内には優しい陽の光が差し込んでいました。

Yale Center for British Art

壁にはオークの木が使われていて、コンクリートの冷たい印象を和らげてくれます。

基本的に、日中は自然光のみで鑑賞できるように設計されています。この日も曇りがちの天気でしたが、照明はついていませんでした。

Yale Center for British Art

階段の上も、このように自然光が入るように設計されていました。

Yale Center for British Art

バイネック・レア・ブック&マニュスクリプト・ライブラリー

カーン氏の作品ではないのですが、こちらの「バイネック・レア・ブック&マニュスクリプト・ライブラリー(Beinecke Rare Book & Manuscript Library)」も有名な建築物ということでチラ見してきました。SOMという世界的に有名な設計事務所がデザインを担当し、1963年に完成しました。

Beinecke Rare Book & Manuscript Library

ここは貴重な書物や資料を保存している図書館で、窓がありません。白っぽい色をしたバーモンド産の大理石が建物の外壁になっており、非常にユニークです。大理石のパネルは非常に薄く、太陽が当たると、館内からはうっすらと石のまだら模様が浮き上がるようになっているんだとか。残念ながら年末ということで中には入れませんでしたが、中から見ると相当美しいようです。

Beinecke Rare Book & Manuscript Library

図書館の前には、イサム・ノグチ氏がデザインした庭園があります。

Beinecke Rare Book & Manuscript Library

インガルス・リンク

最後にイェール大学のスケートリンク「インガルス・リンク(Ingalls Rink)」を訪れました。こちらはエーロ・サーリネン氏(Eero Saarinen)によって設計された建物です。

Ingalls Rink

中では子供達によるアイスホッケーの試合が行われてました。

Ingalls Rink

エーロ・サーリネンさんって聞いたことなかったんですけど、JFKにある超有名建築物TWAターミナルや、セントルイスのシンボルである巨大アーチを設計した世界的に有名な建築家なんですね。アーチ状の曲線を使ったデザインが彼の特徴です。

丹下健三氏がデザインした代々木にある競技場も、このスケートリンクからアイデアをもらっているとのこと。構造は全く違うらしいのですが、外観や中の雰囲気は非常に似てました。こんなところに代々木競技場のルーツがあったとは…。

Ingalls Rink

というわけで、今回は約半日かけて、4つの建物を巡りました。いや〜、やっぱり専門家と一緒に回ると全然違いました。本当に楽しかったです。ありがとうS氏!

ランチにはニュー・ヘブン名物のピザ

ランチにはニューヘブンに来たらいつも行くバー(BAR)というお店に行ってきました。以前、コネチカット州に住む知り合いに教えてもらったお店で、ニューヘブン名物のピザが食べられます。地元の人達にも人気があるようです。

BAR

店内が開放的でゆっくり食事が楽しめるので、とても重宝しています。イェール英国芸術センターから数ブロックの所にあるので非常に便利!

BAR

こちらがニューヘブン名物のピザです。写真で見ると大きいですが、生地が非常に薄くて軽いので、結構たくさん食べることができます。今回も美味しくいただきました。

BAR

以上でルイス・カーン氏の建築物を巡る旅を終了とさせていただきます。世界的に有名な建築家の作品を堪能して、美味しいピザを食べてと、とても贅沢な休日を過ごすことができました。ニューヨークからも車で1時間30分ほどなので、また機会を作ってぜひ遊びに行けたらなと思っています。

EOS RPでフルサイズに挑戦中

Canon EOS RP

2023年7月に再生品(Refurbished版)を599ドルで購入。APS-C機(EOS Kiss)からフルサイズに乗り換えて写真撮影に挑戦中です。
Canon RF50mm F1.8 STM

2023年7月に購入してEOS RPに装着。2023年は標準レンズといわれる50mmにこだわって、NYの街を撮影してみます。

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